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Something Poetical Private

私的で詩的な映画の感想を書いています。

この世界の片隅に

アニメ映画 アニメ

うん, この世界の片隅にを見てきたんですよ.

konosekai.jp

過去の戦の話を通じて強く生きた女性の物語.

広島を舞台にした戦争映画というと, 例えば原子爆弾のことを思い浮かべる人が多いと思うが, 舞台は広島市ではなく呉という場所だ(最初は広島に居るけれど). しかし呉は当時の日本の海軍の拠点だったこともあり, 戦争が終わる1ヶ月前の7月に激しい空襲に見舞われている*1.

僕は戦争の話がしたいのではなく映画の話がしたいのだが, 僕には先月までのようにうだうだと映画について述べる時間も体力も少なくなってしまった. だから, 僕はこの映画についてはあまり語らない.

まず言っておきたいのは, 僕の思考の背後には「もう第2次世界大戦の話はよくないすか」という思いがどうしてもあるということ. 今まであらゆる視点から, あらゆる国がメインテーマに据え, あらゆる描写がなされたあの戦争だってのに, それに作品をひとつ追加するほどの価値があるものってそう簡単には作れないんじゃないですか. 僕にはとても「ノスタルジーに浸っている」ようにも見えたし, 「時代錯誤」だとも感じた. それこそ, 「強い日本人」の虚構じゃないかと. 戦争の中での「日常」を描いたのはわかるがそれ自体はとても新しい斬新なものでもないし, 今更かよって正直思う.

一言で感想を述べると, 僕はこの映画はきっと「女性映画」なんだろうなと思った. そう捉えるのが一番しっくりくるが, いいとは思わない. いいとも思えない解釈を語ることには気が乗らないので書かない.

この投げやりな文章を書いたのは, Twitterなどで絶賛する声を公開前の時点でも, 公開後もいくつか見たからだ. 別に逆を張りたいわけでも, その人たちを批判したいわけでもない. なるほど, 確かにのん(能年玲奈)の演技は良かったし, 時代考証もよかったかもしれない. 道の再現でも手間はかかっただろう. 笑いも喜びも悲しみも憤りもあった. たしかにそういう側面だけを見れば面白い映画だ.

だが僕にはこの作品の「幹」の部分がわからない. そうした「枝葉」は本来幹の部分がしっかりできていて機能するものだ. 枝葉の部分がすごいから傑作だのなんだの言うのはあまりにも無責任が過ぎる. 僕にはそんなくだらない記事を書いている時間も無責任さもない.

なんというか, ただ映画館にポスターが貼ってあるだけの映画だから期待したのに, 実際にはマス向けの消費作品だったという思い.

*1:映画にそういう描写がある.