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Something Poetical Private

私的で詩的な映画の感想を書いています。

15 年前の自分と今の自分はどうも大して変わっていないのかもしれない~千と千尋の神隠し~

アニメ アニメ映画

私情の伴ったまえがき

15 年. 僕がこの「千と千尋の神隠し」を初めて見てから 2 回目に見るまでにかかった時間である. 当時の僕といえば小学校 2 年生であり, 夏休みに何かの企画で映画館に見に行った記憶がある*1. どこかに書いた気がするけれど, 小学校 2 年生当時の僕の感想といえば「怖い」以外には何も思い出せない. 今でもそうだが, 当時はもっとビビリで怖がりだった僕は両親が豚になってしまうシーンが尋常じゃなく怖かった.

他の事情もある. 今ではあまり表面化していない(つもり)だが, 僕は人が何を言っているのかを理解するのがすごく苦手だ*2. 意識して人の話を聞いていないとすぐ何を言っているのかわからなくなってしまう*3.

だから当時の僕はほとんどの映画のセリフは聞き取れていない, 絵だけ見てなんとなく何かをわかった気になっていたんだろう. そして 15 年前に感じた恐怖から僕はこの映画を避け続けていた.

でも, さすがにいまさらもうよくね?

ということで今回 15 年ぶりに見た. 今は気をつければセリフは聞き取れるどころか, 俳優や女優の演技にケチをつけ, もっと脚本がんばれよとストーリーに文句をいい, 挙句の果てに 22 話のアニメを見ててきとうに感想を書いていたら 5,000 字なんぞ容易に超えてしまう僕. 15 年前よりは得るものがあった, そして 15 年前に僕をこの作品に出会わせてくれた, 製作者並びに大人たちに感謝したい.

でもさ, 僕は聞きたいんだ. 「八百万の神々」 なんて言葉, 小学生が知っていると思うかい?

私情はともなっていないけれどくどい叙述

アニメーションはそれだけで子ども向けというレッテルを貼られがちだ. 子供向けというレッテルはすなわち「わかりやすい」などというレッテルを貼られがちだ.

しかし, ご存知のようにスタジオジブリはわかりやすい映画なんて全く作っていない. 特にもののけ姫以降, 敵と味方が, なにが正義でなにが悪かわからない類の 物語しかない. では, スタジオジブリは子供向けではないのか・・・・・・? 否, スタジオジブリは子どもに向けて映画を作っていた, いや正確に言おう. 「これから大人になる君たちのために」映画を作り続けていた. そして今も作り続けている.

アニメーションは子どもに興味を惹かせるためのラッパーだ. 話の内容は深淵で, 大人であっても悩むようなものを主題にしていたり, 舞台の理解に苦しむようなものを選んでくる. 僕はそれが意図的なものであると信じている. 彼らはわざとやっている.

それは誰のためか? もちろん, 子どもたちのためだ.

宮崎駿は引退会見で言った.

「この世界は生きるに値する、それを子どもに伝えるために僕は映画を作ってきたんです」

アニメーションは子どもを楽しませるためのものかもしれない. だけど伝えたかったことは, そして伝えるべきことは, もっと普遍的なことであって, どんな映画にするかなんて関係ないほどに強力なメッセージだったんじゃないか.

Staff and Cast

まえがきを長くしすぎてしまった. 15 年ぶりに映画を見直すのはちょっと感慨深いものがあり, つい長々語ってしまった. うーん, 困ったものだ.

タイトルにあるように今回は「千と千尋の神隠し」について書くつもりなんだけど, まえがきで自分のうすっぺらい感情論をねじ込んでしまって既に死にたくなっている. 穴があったら入りたい. 自覚はあるんで許してほしい.

さて, 気を取り直してスタッフの紹介. といってもこの映画, 興行収入は 300 億円を超えるという大ヒットなんて言葉では語れない, 既に記録に残っている映画. 知らない人のほうが珍しいと言ってもいいかもしれないけれど, まぁフォーマットということで.

原作・脚本・監督はもちろん宮崎駿. もう引退されて, いまはポスト宮崎駿がどうのこうのとかごくごく一部では言われているようで. 個人的にはポスト宮崎駿庵野秀明で確定だろ(爆笑)と言いたいところ*4. おっとこれは余談だった.

音楽はもちろん久石譲. プロデューサーは鈴木敏夫. ここまではジブリだしまぁそれはそう.

この映画は製作委員会方式で作られていて, まぁ詳しく知りたい人はググってね, と.

キャスト, ジブリのキャストは芸能人を使うので好きじゃないなんて人もいるかもしれないけれど, 僕はちょっと前に「君の名は。」を見て長澤まさみの演技に驚いたばかりなのでそれはいわないことにしようかと*5.

主人公で名前を奪われる女の子, 荻野千尋(おぎのちひろ)役は柊瑠美, その千尋(千)を補助するハク役は入野自由. 湯婆婆(ゆばーば)は千が働く温泉旅館のドンで, かなり横暴. CV 夏木マリがかなりハマっていていいよね. 地下のボイラー室でひたすらお湯を沸かしている「釜爺」は今は亡き菅原文太さん. ハクを助けようとする千を見て「愛だよ, 愛」と言うセリフは後世に残したい. あまり出てこないけれどセリフはそれなりにある千尋の両親, 荻野明夫(内藤剛志)と荻野悠子(沢口靖子).あと何気に神木隆之介くんが出ていたりもするけどまぁこれくらいにしておいて.

今回なんか既に書きすぎていて僕がつかれているよ! 最初こんなに長く書いていると思わなかったよ!!

でも安心してね! このあとすごく短いから. たぶん.

あらすじは省略. DVD で見た映画についてはまぁみんな知ってるでしょということであらすじは書かないことにいま決めた.

感想

正直言ってね・・・・・・書けることないんだよね.

そりゃ気になることはあるよ, 結局「カオナシ」ってなんだったんだろうとか, 「ハク」はどうして魔法使いになりたかったんだろうとか, 千尋はどうしてハクの正体に気づいたんだろう, とかね.

でもひとつの感情として, このあまりに完璧な世界にそういうケチをつけるのがあまりにも野暮すぎやしません?

ジブリ・クオリティだから絵で気になるところもない. 異世界だから突然ハクが人型でありながら空を飛んでも許されるし, 見た人に「よくわからないけどいい話だった!」って言わせるタイプの物語だと思うんだよね. 僕もよくわからないもの.

この映画を手放しで面白いとかすごいとか言えない, でもこの映画つまらないとも言えない.

なんかトピックだてていつもあーだーこーだ書き, ここを見てほしいとか僕は書くんだけど, この映画に関してはなんかもうそういうの全然思いつかない. ひょっとしたら 15 年前の気分を引きずっているのかもしれないけれど.

結論を書くと, 困った. 僕にはこの映画が面白いともつまらないとも評価できない.

まぁ僕がとやかく言うひつようもないほどに有名で, 絶賛され, 実際に興行収入という数字でも評価されているような映画だし, いくら僕が 15 年ぶりに見たからってとやかく言うこともないんだろう.

今回はそういうことにしておこう.

今回はそういうことで納得するけど, なぜだろう. きっとまた見たくなる気がするんだ. そのときもまだ映画の感想を書いているかはわからないけれど, ね.

*1:地域の子ども会がなんか絡んでいたような気がする

*2:今も実は得意じゃない.

*3:具体的に言うと, 小学校のときは「踊るさんま御殿」という番組が始終何を言っているのかわからなくて全然理解できなかった.

*4:僕が大好きだからというそれ以外の理由はないのでさすがに本気で推しているわけではない. 個人的な感情で言えば, 広く国民に知られるアニメーターになる器量がある人物は思い当たらないので向こう 5 年は現れないと思う.

*5:でも以前ジブリ作品に長澤まさみが出演したとき(「コクリコ坂から」)は長澤まさみの声にしか聞こえなかったので, たぶんジブリの声優指導が下手だったか, 新海誠のところの指導が良かったか, 長澤まさみが成長したか, 役が合っていたか, それ以外の因子が存在したか, それらの因子が複合的に絡んでいたんだと思う.