Something Poetical Private

私的で詩的な映画の感想を書いています。

移設のお知らせ

どうも、515ひかるです。

このブログは移設することにしました。ここの記事はそのままで残しておきますが、新規に更新する予定はありません。

Something Poetical Private

上記のリンクに書いて行こうかと思います。理由は、少し運営方針が変わったことと、ブログ記事の管理方法について少し思うところがあったという事情です。

削除するつもりはないのでご安心ください。

本当は、同じ記事を二箇所に書いて行こうかとも思ったんですが、はてなブログの Markdown 方言が強すぎるので諦めました。やるとしても Blogger が Tumblr かな。。

このブログの読者のかたには少し申し訳ないですが、「はてなブログ」は思いもよらぬところから読者が流入してくることがあり*1、僕としては特にアクセス数などには気を使っていないのだけれども、それでも無意識のうちに発言をセーブしているようなことが多かった気がします。

なので、もう少し内輪で、目立たないところで記事を書いて行こうかという次第です。

今回は 17 記事のみ移設だったので手作業でやりましたが、雑記帳のほうは300記事以上あるのでとても手作業ではやってられないのであちらの移設は諦めています*2。いや単純作業はしんどいですね。

では、今後ともSomething Poetical Privateをよろしくお願いします。更新の通知などは Twitter @515hikaru に流すつもりです。

*1:当然なのですが

*2:はてなブログ Pro に登録してますし移設したほうがもったいないわけなんですが。

パリ、恋人たちの影

さて、どうしたものかね。

総合すると、「退屈な映画だな」って思ったわけなんだけど、いいものには理由がないことは数あれど悪いものには何かしら理由があると信じている僕としては、この映画の何がつまらなくさせてるのか正直よくわからないのが気になっている。

たぶん退屈だったのは時間の制約からかたまに聞こえてきたやたら丁寧に説明してくれる「ナレーション」とか、終始重苦しい雰囲気だったわりにはありきたりなストーリー、とかだったんだと思う。

なんかのりきれなくて、入り込めなくて退屈だなと感じていた。

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LA LA LAND - If your dream come true...

gaga.ne.jp

人は、夢を見る。

将来の職を、名誉を、富を。希望に満ち溢れた人生を夢見る。

ある女は女優を夢見ていた。ある男はJazzの復興を夢見ていた。ふたりがたまたま出会った。この物語は、ただそれだけの物語だ。
そして、夢を見るあなたのため、夢を叶えたあなたのため、夢が叶わなかったあなたのためにこの物語は存在する。

夢を叶えるということ

多くの場合、夢を追う物語というのはシンプルだ。主人公やその周辺になんらかの障害がある。例えば金がないとか、人が集まらないとか、偏屈すぎて賛同者が居ないとか。その障害を克服するために様々な手段がとられたり、試行錯誤をしたりして夢を実現させ、ハッピーエンドで終わる。最後にはこれまでの葛藤などが報われ、笑顔の主人公たちがスクリーンに映し出される。これもまた娯楽としての映画としては一級品だ。

一方でこの物語は、満面の笑顔では終われない。この物語はさらに奥へと一歩進み、夢を叶えた「代償」を描いている。

一見すると、夢が叶った人というのは本当に幸せに見える。好きな人と結婚できた、就きたい職業につきバリバリ働いている。でも本当にそうだろうか。自分で選んだ道であったとしても、「本当にこれで良かったのだろうか」と自問することがない、と断言できるだろうか。

夢を見るということは、自分の歩む道をひとつ決めるということだ。夢が叶ったということは、自分がひとつの道を歩ききったということだ。それまでにいくつも分岐点があっただろう。隣の道のほうがよりよい到達地点にたどり着けると思えたこともあっただろう。考えられたありとあらゆる可能性を放棄し、ひとつの道を選択した。その他の道を選べば払わずに済んだ代償を支払い、夢を叶えた。

問う。

あなたの夢が叶ったとして、あなたは幸せだろうか。

トレード・オフ

夢を叶えることは、それなりの代償とトレード・オフの関係にあることをこの映画は教えてくれる。その夢が大きかろうか小さかろうが、あなたが選ばなかった道は代償としてのしかかってくる。彼らは時を経て "大人" になり、代償を支払った、お互いに。

だからきっと、お互い心の中で代償を支払わずに済んだ道を歩めたらどんなにかグレートなことだと思う。空想する。だが、振り返りはしても後ろに歩いたりはしない。

これからも夢を叶えた代償を支払い続ける代わりに、彼らには夢を叶え続ける義務がある。自分たちではない誰かに、夢を与え続ける義務がある。

ちょっと追記


まとめ

もしも夢を叶えたいなら、この映画はほんの少しの厳し良い現実を教えてくれる。もしも夢が叶った人なら、この映画の意味が分かるだろう。夢が叶わなかったあなたは、この映画をこう見るだろう。

「夢が叶わなかった苦しみは、夢が叶った苦しみと同じだ」

と。

わたしは2度だけ、本当に叶えたい夢を見た。どちらも叶わなかった。

ただ、わたしは夢が叶った代償の代わりに、夢が叶わないという代償を払った。それだけのことだったのだ。

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虐殺器官

『虐殺器官』を観に行った。

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

このブログにどういう人がたどり着くのかよくわかっていないが、僕なりにいつもどおりマイペースにやろうと思う。

Private な事情により僕はしばらくこのブログを更新しなかった。理由は単に映画をみていなかったからだ。Amazon Prime Video で見ることさえもなかった。なぜなのかはよくわからない。しばらく生活に物語が必要なかったからかもしれない。

およそ3ヶ月ぶりに映画をみるにあたり、感想を書くにも物語を消化するにも復帰戦として選ぶのに最適なやつがたまたま公開されたのでみに行った、それだけと言えばそれだけだ。

虐殺器官、もうこの作品を語る必要もないだろうと思うが、お時間の余っている方はこの記事に付き合ってくだされ。

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「奇蹟がくれた数式」をより楽しめるかもしれない無限の話

はい, 見てきました, 『奇蹟がくれた数式』. 一週間くらい映画見てなかったんで一週間くらい間が空きましたね.

ひょっとして僕のことをよく知らない人いるかもしれないので書いておきますが, 学部は数学科を卒業し, 実は数学科の大学院生で現在休学中という微妙な身分です. 最近「淵に立つ」の記事がありがたいことに多数シェアされたみたいで, 新規読者もいるっぽいので一応書いておきました.

今回は真面目に映画を見に行くというよりは, まあ数学者の映画らしいし見とくかくらいの感覚で行きました. 普通に楽しかったですし, 数学(者)を題材にした物語がつくられるのは非常にありがたいことなので, 多くの人にぜひぜひ劇場へ足を運んでほしいなと, 関係者でもないのに思っております.

この記事では感想よりも, 本編に関係する背景として「無限を正確に取り扱うことの難しさ」について簡単に書こうかなと思います.

ちなみに以下に書くことの大部分は僕が高校3年生のときに数学の授業で教わったことですので, 身構えずに読んでくださいな.({\sin}{\cos} も出てきませんよ!)

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